#3 主観年齢とは?


誰でも1年に1歳ずつ年を取ります。小学校の同級生はほぼ全員が同い年で、それはいくつになっても変わりません。

しかし、同じ年齢の人でも、自分自身をどのくらいの年齢だと感じているかは大きく異なることがあります。

主観年齢(subjective age)とは、自分が自分に対して感じる年齢のことで、感覚年齢(felt age)とも呼ばれます。

例えば、「あなたは自分が何歳くらいだと感じていますか?」と尋ねられたとき、実年齢が50歳でも「30歳くらい」と答える人もいれば、「60歳くらい」と感じる人もいます。同じ年齢でも、その感じ方には個人差があります。

海外の研究では、主観年齢が若い人ほど、身体機能や認知機能が良好で、抑うつが少なく、ストレスへの対処能力も高いことが報告されています。また、健康寿命や死亡率との関連も示されており、主観年齢は健康やウェルビーイングを考えるうえで注目されている指標の一つです。

興味深いことに、高齢になるほど実年齢より若く感じる人が増えることも知られています。70歳の人が「60歳くらい」、80歳の人が「65歳くらい」と感じることは珍しくありません。

もちろん、ただ「若い」と思い込めば健康になれる、というわけではありません。しかし、自分を少し若く感じることは、前向きな行動や新しいことへの挑戦などにつながり、結果として心身の健康によい影響をもたらす可能性があります。

実年齢は変えられませんが、主観年齢は日々の過ごし方や心も持ちようによって変わるかもしれません。今日の自分は何歳くらいかな、と主観年齢に目を向けてみるのも面白いかもしれませんね。

#2 運動とウェルビーイング


最近ウェルビーイング(well-being)という言葉がよく使われています。ウェルビーイングとは、”よい状態”という意味で、 心身ともに健康で充実した生活を送れている状態を指します。 

定期的な運動は、肥満予防や体力維持、ケガの予防など、身体にさまざまなよい効果をもたらします。また、睡眠の質の向上や生活の質(QOL)の改善にもつながることが知られています。高齢者では、要介護になるリスクの低下にも効果があると報告されています。 

ではこころの健康には どのような効果があるのでしょうか。 
研究では、適度な運動が抑うつのリスクを低下させることが報告されています。運動することで、ストレスの解消や気分転換になり、自分への自信や達成感が得られることもあります。 

さらに運動は一人でするよりも、仲間と一緒にする方が、精神的健康には効果がある、という研究もあります。

家族や友だちと一緒に運動するのもいいですし、「仲間を探すのがむずかしい」という人は、コミュニティ主催の運動教室などに参加するという方法もあります。

日々のちょっとした運動習慣が、からだとこころの健康につながります。できることから始めてみませんか。

 

#1 気分を変えたかったら、行動を変えてみる 


気分が落ち込んだり、イライラしたりした時、

早く割り切って楽しいこと考えよう!と思っても、なかなか気持ちが切り替えられないことはありませんか?


「気分を変えたい」時には「行動を変える」という方法があります。


「フェイク・スマイル(作り笑顔)」の効果、をご存じでしょうか?


研究では、特に楽しいことがなくても、意識して笑顔を作ることで、ストレス反応がやわらぎ、心拍数が安定しやすくなることが報告されています。表情と感情は無関係ではなく、笑顔を作ることで、脳や自律神経にも影響が及ぶと考えられています。


気分が落ち込んだ時や、ストレスを感じた時は、鏡を見ながら、あえて口角を上げてみてください。歯が少し見える程度の自然な笑顔で十分です。


もちろん、笑顔だけで悩みが解決するわけではありません。それでも、「少し気持ちを整える」「ストレスを和らげる」ための小さなきっかけにはなります。


日々の小さなストレス対処を積み重ねることは、メンタルヘルスの維持にもつながると考えられています。


今すぐ、たった数秒でできるシンプルな方法。


気分を変えたい時こそ、まずは行動を少し変えてみる——そんな習慣を試してみませんか?

参考文献
#3
Aftab, A., Lam, J. A., Thomas, M. L., Daly, R., Lee, E. E., & Jeste, D. V. (2022). Subjective age and its relationships with physical, mental, and cognitive functioning: A cross-sectional study of 1,004 community-dwelling adults across the lifespan. Journal of Psychiatric Research, 152, 160–166. https://doi.org/10.1016/j.jpsychires.2022.06.023
 

Stephan, Y., Chalabaev, A., Kotter-Gruhn, D., & Jaconelli, A. (2013). “Feeling Younger, Being Stronger”: An Experimental Study of Subjective Age and Physical Functioning Among Older Adults. The Journals of Gerontology Series B: Psychological Sciences and Social Sciences, 68(1), 1–7. https://doi.org/10.1093/geronb/gbs037 


#2 
Okura T , Tsuji T , Tsunoda K, et al. Study protocol and overview of the Kasama Study: creating a comprehensive, community based system for preventive nursing care and supporting successful aging. The Journal of Physical Fitness and Sports Medicine
2017; 6 1 49 57

#1
堀田 秀吾 (2017). 科学的に元気になる方法集めました, 文嚮社 
Kraft, T. L, & Pressman, S. D. (2012). Grin and bear it: the influence of manipulated facial expression on the stress response. Psychological Science, 23(11), 1372-8.